卵巣嚢腫になったら妊娠できる?良性と悪性での違いは?

卵巣嚢腫

女性にしかない臓器である子宮や卵巣は、妊娠や出産に関わる、女性としてとても大事な臓器です。そして妊娠するためにとても大事な排卵という現象は、卵巣にてコントロールされています。そんな大事な臓器である卵巣に腫瘍が見つかったとなると、多くの人は妊娠・出産は出来るのかなど、とても不安になることでしょう。

卵巣にできる腫瘍と言えば、卵巣嚢腫を想像する人も多いかもしれません。もし卵巣嚢腫になってしまったら、妊娠・出産は可能なのでしょうか?また腫瘍と聞くと良性、悪性での違いも気になります。卵巣嚢腫と妊娠の関係について調べてみました。

卵巣嚢腫って?どんな病気?

卵巣は女性にしかない臓器であり、体の左右に一つずつ、計二つ存在します。卵巣には女性ホルモンの分泌や排卵といった、妊娠する上でとても重要な役割があります。

そんな卵巣は、実はもっとも腫瘍の出来やすい臓器とも言われており、その頻度も決して低くはないため、女性であれば気にかけておかなければならない部分でしょう。

女性特有の病気の一つとして、卵巣嚢腫という名前を聞いたことがあるかもしれません。卵巣嚢腫とは、卵巣にできた腫瘍(体の中や表面に出来るかたまり、できものの総称)のうち、良性の腫瘍を言います。卵巣にできる腫瘍のうちのおよそ9割は良性であると言われているため、卵巣腫瘍はほとんどが卵巣嚢腫であると言えます。

とは言え、残りの1割には悪性の腫瘍も含まれているため、卵巣腫瘍が見つかった場合は定期的な経過観察が必要になる事もあります。卵巣嚢腫は自覚症状があまり無いため、自発的に見つける事は難しいと言われています。しかし嚢腫が大きくなるにつれ、月経痛が強くなったり、腰痛が出たり、膀胱を圧迫する関係で頻尿になることもあるようです。

また嚢腫が大きくなる事によって、茎捻転という状態を起こす事があります。茎捻転を起こすと、かなりの激痛を伴い、卵巣が壊死する可能性もあるそうです。そのため、ある程度の大きさ(5~7センチほど)まで嚢腫が成長してしまうと、手術による治療も検討しなければなりません。

卵巣腫瘍は良性のものがほとんどだからと安心するのでは無く、少しでもおかしいなと思う部分があれば、婦人科を受診するべきでしょう。

卵巣嚢腫かも…妊娠はできる?

卵巣と言えば女性ホルモンの分泌を行い、月に一度の排卵も行っている、妊娠にとってとても重要な臓器です。

そんな臓器に腫瘍が出来てしまった場合、妊娠への影響はないのでしょうか?卵巣嚢腫と不妊には、腫瘍の出来る位置や嚢腫の種類が関係しているようです。左右の卵巣には卵管が繋がっており、妊娠するためには卵管の中で精子と卵子が出会い授精することが必要です。

しかし、腫瘍が出来る位置が卵管に近しい場合に癒着を起こし、卵管が閉塞してしまう事があります。卵管閉塞では受精卵が子宮にたどり着くことが出来ないため、妊娠が難しくなります。また嚢腫の種類で言えば、卵巣内に子宮内膜が増殖してしまうチョコレート嚢胞には注意が必要です。

チョコレート嚢胞になると、卵巣内に出血が溜まることで卵巣の機能がうまく働かなくなることにより、妊娠しにくくなることがあるようです。

このように、卵巣嚢腫が原因で不妊になることもあり得ますが、必ずしも不妊になる訳ではありません。卵巣嚢腫が見つかった場合、小さくて成長のスピードも緩やかかつ、悪性の懸念が無いと判断される時は経過観察のみで何も処置をしない事は多々あります。

不妊の原因として考えられる場合や、痛みなどの症状がある場合には、手術などの外科的処置が施される事もあります。この様な場合には、妊娠の希望がある場合、なるべく腫瘍だけの切除に止め、卵巣を温存する方法があります。また、最悪、卵巣自体を切除することになったとしても、片方の卵巣が残っていれば、自然妊娠は望めます。

もし卵巣嚢腫が見つかった時は、将来妊娠の希望があるかなど医師と相談しながら治療法を決めて行くことになるでしょう。

卵巣の腫瘍、良性と悪性の違いは?

「腫瘍」と聞くと、一番最初に頭によぎるのは「がん」の二文字ではないでしょうか。実際にそんな風に思っている人も多く、「腫瘍が出来た」などと聞くと心配になりますが、腫瘍には良性のものと悪性のもの、さらにはその中間といったものがあります。

卵巣にできる腫瘍に関しても良性、悪性があり、上述の通り9割ほどは良性の腫瘍ということになります。卵巣にできた腫瘍が良性なのか、悪性であるのか、判断するには何通りかの方法があります。それらは触診、超音波検査、MRI、CT、腫瘍マーカーなどです。

まず触診では、腫瘍の硬さを調べます。実際に膣から指を挿入して、子宮周辺に腫瘍の有無を確認しますが、悪性であるか否かの判断は、腫瘍が硬いほど悪性と判断され易いことになります(良性のものは柔らかい)。触診で腫瘍の有無を確認した後、超音波検査などで詳しく検査を行っていきます。超音波検査やMRI、CTなどでは腫瘍の大きさや形、内容物を確認します。

腫瘍は大きく(10センチほど)、中に核のようなものが確認されると悪性の疑いは強くなります。悪性の腫瘍イコール卵巣がんということになりますが、卵巣にできる腫瘍は悪性であっても、良性であってもはっきりと感じられる自覚症状は少なく、早期発見しにくい部位のようです。

最近では子宮がん検診の時に、卵巣の腫瘍をチェックしてくれる病院もあるようですので、定期的に検診を受けるなどして早期発見に努めるようにしましょう。