化学流産

妊娠を待ち望んでいる人にとって、流産はとても悲しい出来事の一つです。赤ちゃんがお腹にやってきて喜んでいたのもつかの間、何かしらの原因で成長が止まり医師から流産との診断を受けると、自然に流れ出るのを待つか、手術が必要になることもあります。

こういった流産は、実に全妊娠の10~15%程度の割合で起こっていると言われています。しかし、その割合よりも遥かに多い、妊娠を望んでいる人の半数ほどが経験しているかも知れない「化学流産」について知っている人はどの位いるでしょうか?

今回は多くの人が経験しているかもしれない化学流産について、気になることを調べてみました。

化学流産とは?普通の流産とは違う?

流産とは妊娠が終わってしまうことを言いますが、定義としては「妊娠22週以前に妊娠が終わってしまうこと」です。妊娠を疑い婦人科を受診すると、尿検査や血液検査に加えて超音波検査にて内診が行われます。

その時に赤ちゃんを包む袋である胎嚢が確認されて、始めて妊娠が認められます。胎嚢が確認されてから起こってしまう流産は12週までに多く起こり、12週を過ぎる頃からその確率はどんどん減ってきます。胎嚢が確認出来るのがだいたい妊娠5~6週頃になりますが、胎嚢が確認される前にも流産は起こっています。

それらは胎嚢確認前であるため妊娠と認められず、履歴としても流産歴にはカウントされない、「化学流産」という状態です。化学流産は極初期の流産であり、化学流産を起こしたことに気が付かない人もいるいるため、どの位の割合で起こっているのか、はっきりとした事はわかっていませんが、妊娠を望む人の半数ほどが経験しているのではないかと言われています。

化学流産では受精卵が着床したものの、何らかの理由で妊娠が続かずにすぐに流れてしまった状態で、医学的にカウントされる流産とは違い特別な処置を必要としません。とは言え体内にて、妊娠、流産という反応が起きた事は事実であり、これによって今後の生理や妊娠に何か影響でることはあるのでしょうか?次項にてまとめてみました。

化学流産したかも?!生理はいつくる?

化学流産とは、医学的にはカウントもされないような極初期の流産であることはわかりましたが、「流産」と名がつく以上、その後の生理や妊娠への影響が気になります。上記にて化学流産は、起こした事に気が付かない人もいると書きました。

通常の流産は、痛みや出血を伴う事があり、それがあるから気がつく事が出来るとも言えます(痛みや出血を伴わなくとも、流産と診断されることはあります)。しかし化学流産では着床が長く続かず受精卵は流れてしまい、そのまま子宮内膜が剥がれて生理が始まってしまいます。そのため、流産の出血なのか、生理の出血なのかがわからず、妊娠していた事に気が付かないのです。

時期的にも生理予定日の数日後に出血が起こるため、少しいつもの生理が遅れた程度にしか感じないかも知れません。化学流産を起こした事に気がつくのは、たいていフライング的に妊娠判定薬を使用した時でしょう。妊娠を望んでいる、あるいは不妊治療をしている人であれば、フライング的に妊娠検査薬を使用した事があるかも知れません。

近年の妊娠検査薬はとても精度が良く、通常生理予定日1週間後から使用するようになっているものであっても、生理予定日に使用しても薄く反応を示すものがあります。

早い時期に陽性を示しても、その数日後に生理が始まる事があり、その時に始めて化学流産を起こした事を知る事になります。化学流産後は、そのまま子宮内膜が剥がれ、生理が開始するため、特別な処置は必要ありません。

そのため化学流産を起こしたことに気付かず、次周期に続けて性交渉を持ち妊娠にチャレンジしてもほとんど問題はないと言えるでしょう。

化学流産を起こすと生理は遅れる?また生理不順になる?

化学流産とは、着床後すぐの流産であり、そのまま生理が始まってしまうため、その周期は数日から1~2週間ほど生理が遅れて始まる事になります。

極短い間ではありますが、妊娠していた期間があるため、いつもよりも子宮内膜は厚くなっており、その分、通常の生理に比べると出血が多かったり、月経痛が強く出る事があるようです。また、厚みを増した子宮内膜が剥がれ落ちる関係で、レバー状の塊が経血に混じる事もあるようです。

流産と聞くと、その後の生理や妊娠への影響が気になりますが、化学流産後に通常とあまり変わらない(期間や量)生理が起こり、体調の変化も無ければ特別な処置は必要なく、すぐに再度妊娠を目指す事も可能です。

また、化学流産後の生理が不順になるという事もなく、いつも通りの生活をしても大丈夫です。化学流産を起こす原因のほとんどは、受精卵の染色体異常であると言われています。しかし、着床する子宮の状態や母体の健康も、妊娠を継続させる上で大事な要素です。

化学流産が起こったから生理が不順になったと考えるのではなく、生理不順や着床しづらい子宮環境が化学流産を引き起こす原因の一つになっていると考えるべきかも知れません。また、何度も化学流産を繰り返しているようであれば、不育症の可能性も視野に入れ、詳しく検査を受けた方が良いかも知れません。

一度や二度の化学流産であれば深く考え過ぎることでストレスを貯めるのは避け、健康的で妊娠し易い身体作りに取り組んだ方が良いのではないでしょうか。