現在、妊娠したくても中々出来ない夫婦はとても多く、6~7組に1組はなんらかの不妊治療を受けていると言われているのが日本の現状です。この割合は決して他人事ではなく、身近な人が不妊について何かしら悩んでいても、少しもおかしくはありません。不妊について、少しでも不安があるのならば、まずは不妊の検査を受けるべきでしょう。男性と女性では受ける内容の違う不妊検査ですが、今回は男性の不妊検査である精液検査について、具体的な方法をまとめました。

不妊治療と不妊検査

現在、日本において不妊治療を行っている夫婦というのはとても多く、不妊治療を扱っている病院はどこも患者であふれ返っています。少し前までは「不妊」というと、「女性の問題」という風にとらえられがちでしたが、男性不妊が原因で妊娠に至らないことも多いという事実も随分知られるようになってきました。実際に不妊の原因は男性起因もの、女性起因のものほぼ半々であり、晩婚化、晩産化の影響により、どちらも数が増えているのが現状です。

不妊とは1年以上避妊をせずに夫婦生活を持ち、妊娠に至らない状況のことを言います。自分たちが不妊であることを疑い、いざ不妊治療を受けようとすると、まず初めにしなければならないが不妊の検査です。

不妊検査は男女で受ける内容が異なります。以前であれば、女性のみが検査を受けることも多かったようですが、最近ではどちらに何の原因があるかわからないため、夫婦そろって検査を受けるのが一般的です。

女性の不妊検査は項目も多く、時期によって受けられるもの、受けられないものがあるため、全ての基本的な検査を終えるのに、2カ月程度かかることもあります。

それに対して、男性の基本的な不妊検査は精液の検査になります。女性に比べて、検査の時期が限定されることもないので、いつでも受けることが可能で、検査の結果が出るのにもそれほど時間がかかることはありません。

受けることに少々抵抗のある不妊治療・検査ですが、調べてみないことにはどんな原因が潜んでいるかわかりません。男性も女性も一緒に検査を受け、共に治療を受ける姿勢が大事です。

精液検査とは?何を調べる?

男性の基本的な不妊検査である精液検査ですが、初めて受ける場合にはどんな方法で調べるのか、何を調べるのか、気になる事がたくさんあると思います。ここでは精液検査でわかること、調べることについてまとめました。

病院によって調べる項目に違いは多少あるかもしれませんが、精液検査では精子の状態を様々な角度からチェックします。それぞれの項目には基準値、正常値が定められており、その数値と比較して検査結果が出されることになります。

検査は主に、目視でのチェック、精液量、精子濃度、運動率、奇形率等を調べています。

精子濃度のチェックでは、採取した精液の中にどのくらいの精子が存在するかを調べ、精液中に精子が存在していなければ、無精子症と診断されることがあります。また精液中に多くの精子が存在していても、それらの精子が運動していなければ意味がありません。そのため精液検査では、精液中の運動精子の濃度や、非運動精子の濃度まで調べているのです。

授精するためには、形態や直進性が良く、さらにはある程度のスピードを持っているものが良いとされており、それらを数値化した値をSMI(Sperm Motility Index)と言います。基準値として80以上あることが望ましいとされており、この数値を重要視している病院も多くあります。

精液検査は一度受けた時の結果が悪くても、再度受けなおすと数値が改善されていることがあります。というのも、精子の運動性や濃度は体調やストレス等に大きく左右されることがあるからです。

もし一度の精液検査で望ましい結果が得られなければ、日常生活を見直し、喫煙、飲酒、睡眠不足、ストレスなどを減らして再検査を受けてみることをお勧めします。

精液検査を行う場所と具体的な方法

精液の採取に関して、採取する場所は病院と自宅のどちらかから条件に応じて選択することができます。病院までの距離が遠くなく、病院側から指示された時間内に持ち込むことができるのであれば、自宅にて採精を行う事が可能です。逆に病院までの距離が遠く、指定された時間内に持ち込むことができないのであれば、病院での採精が必要になるでしょう。

不妊治療を扱う病院にはたいてい、採精室と言われる小部屋があります。その名の通り、精液を採取するための部屋ですが、ほとんどの場合人通りの少ない、静かな場所に設置されていることが多いです。

人によっては、病院での採精に抵抗がある人もいると思います。精液検査には、精子の鮮度の関係で、時間が制限されることがほとんどです。たいていの場合、採精から2~3時間以内のものを持ち込むよう指示されるでしょう。病院で採精を行うと、採取してからすぐのものを検査できるため、より良い結果が得られそうですが、病院からの指示通りの時間以内に持ち込んだものであれば、さほど結果に変化はないようです。

自宅であれ病院であれ、採取の方法に変わりはありません。精液検査で必要になる精液は、病院から指定された容器に清潔な手で、マスターベーションにて採取する必要があります。この時コンドームを使用してはいけません(コンドームには精子を殺す成分が入っています)。

自宅から精液を病院に持ち込む際は、時間の指定と温度管理について指示があるでしょう。精子は高温や低温に弱い性質を持っているため、高温になる事を避け、なるべく人の体温で保温した状態で持ち込むことが望ましいようです。精液採取に関して日時を指定されると、緊張感やストレスから採取ができないこともあります。女性側は、自分には関係のない検査だからといって任せっきりにするのではなく、スムーズに採精ができるような環境作りを意識すると良いと思います。