クラミジア 卵管閉塞

性感染症の一つであるクラミジア。若い世代で広がっていると言われるこの感染症は、男性、女性、それぞれにさまざまな症状を引き起こします。クラミジアに感染した女性が気をつけなければならない症状の一つが、卵管閉塞です。

卵管閉塞とは、女性の妊娠するために重要な器官の一つである卵管が、詰まったり、通過性が悪くなる症状のことです。この卵管閉塞は、不妊の原因の一つでもあります。クラミジアに感染してから、卵管閉塞を引き起こすまでの過程や危険性について調べてみました。

妊活は女性だけの問題ではありません!男性の理解と協力が必要です。

クラミジアに感染するとどうなる?

現在の日本において、若年層を中心に感染者数が増えていると言われているクラミジアですが、感染するとどうなるのか?ということについては知らない、分からない、という人も多いはずです。

「性感染症」の一つであることから、(ほとんどの場合)性行為を介して感染するクラミジア、感染すると、さまざまな症状を引き起こします。その症状は男性と女性では違っています。

まず、男性がクラミジアに感染すると、排尿痛はほとんど感じることはありませんが、尿道に軽い痒みや不快感を感じることがあります。また、尿道から膿のような分泌物が出るという人もいます。個人差がありますが、全く自覚症状を感じない人も多いようです。

一方女性がクラミジアに感染すると、オリモノの量が増える、性交後に出血がある、性交痛がある、性器に痒みや匂いが出る、などの症状があるようです。男性は女性に比べて重症化しにくいと言われています。

男性も女性も、あまり自覚症状を感じないという人も多く、そのため放置された状態になっている人も多いというのが現状です。上記に書かれた症状だけを見ると「たいしたことがないのでは?」と思ってしまうかも知れません。

しかし、クラミジアは放っておくと体の奥へと移動していきます。体の奥へと移動したクラミジアは、男性であれば前立腺炎、副睾丸炎を、女性であれば子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎などを引き起こす原因となります

。感染した人が必ずかかる訳ではありませんが、女性は特に不妊の原因となる病気を引き起こさないとも限らないため、感染しないように注意が必要でしょう。

クラミジアと卵管閉塞の関係

男性と女性では違った症状を呈するクラミジア感染症。女性の場合、クラミジアに感染することで不妊症になってしまう可能性もあることから、より注意が必要です。クラミジアは粘膜感染することから、コンドームを使用しない性行為によって、感染者から移されてしまうことになります。

クラミジアに感染している男性と性行為をしてしまうと、女性の場合、子宮頸管部粘膜(子宮の入り口の周辺)に感染します。子宮頸管部がクラミジアに感染すると、上項目にあったような症状を呈しますが、無症状の人も多くいます。しかし、クラミジアに感染することで膣内の抵抗力が落ち、他のいろいろな病原菌が侵入し易い状況になってしまいます。

そうなると、膣炎を起こし、性器のかゆみ、におい、オリモノの増加などが顕著になってきます。さらにそのまま何も治療をせずに放置しておくと、クラミジアは体の内部へと移動してゆき、それに従って、子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎といった病気を引き起こすこととなります。

子宮内膜炎では下腹部痛や生理痛、不正出血といった症状を呈しますが、流産の原因にもなる事がわかっています。

また、さらに進んだ卵管炎では、卵子や受精卵の通り道である卵管に炎症を起こし、通路が狭くなる、または完全に詰まってしまう、ということになると、不妊症の原因となってしまうのです。このような状態は卵管狭窄や卵管閉塞と言われ、自然に妊娠することが難しくなってしまいます。

不妊症の検査では卵管の通過性を調べる検査がありますので、少しでもクラミジアに対する不安があれば、早めの検査、治療をするべきでしょう。

クラミジアに感染してから卵管閉塞に至るまでどのくらい?

女性がクラミジアに感染すると、不妊症などの重篤な病気を引き起こす原因になり得ることがわかりました。感染の事実が分かり、早めに治療をすることができれば安心ですが、感染してから卵管閉塞といった状態を引き起こすまでには、どのくらいの猶予があるのでしょうか?

これに関して、はっきりとした期間(感染から発症まで)は「わからない」と言わざるを得ません。それにはいくつかの理由があります。

まずは、クラミジアに感染した時の症状に関して、上記にて無症状の人も多いと書きましたが、実に男性では5割、女性では8割近くが自覚症状を感じていないようなのです。自覚症状を感じられないため感染に気付かず放置し、結婚などを機に調べた結果、感染して数年が経過しており卵管炎を発症していたということも少なくありません。

卵管閉塞を起こす原因の一つである卵管炎も、目立った自覚症状がないため、症状が進行してしまう理由の一つになります。こういった理由から、いつ感染して、いつ卵管閉塞を起こしたのか、明確な時期はわかりません。

また、クラミジアは感染力は強いものの、菌自体は強い菌ではありません。そのため、感染しても自然に治癒する可能性もあり、風邪などで処方される抗生剤を服用することで治癒することもあうようで、必ずしも卵管炎などを引き起こす訳ではありません。

病気の進行には個人差もあり、Aさんは1度の感染で卵管炎を発症したが、Bさんは3度感染しても発症しなかった、ということもあり得るのです。その個人が、何度、感染者との性行為を持ったのか、その菌の量がどの程度のものだったのか、という事も発症までの期間には関わってきます。

これらの理由から、人によって発症の有無や、発症までの期間は変わってくることになります。感染後に症状を発症しなくても、長期間の潜伏を経て症状を呈する場合もあるようなので、油断は禁物です。女性は男性に比べて、クラミジア感染を放置した場合のリスクはとても高いものです。

将来、妊娠出産を望むのであれば、少しでも感染の疑いを持つ場合、早期の検査、治療がのぞましいでしょう。早期に治療ができれば完治が難しい病気ではなく、しかも簡単な治療で済みます。疑わしい場合は気がかりを放置せず、勇気を持って病院を受診してください。