卵巣嚢腫 出産

女性は男性と違い、妊娠、出産を経験することができます。それは、女性にしかない器官である子宮や卵巣が体内にあるからこそできることです。妊娠や出産をする上で大事な子宮や卵巣といった器官は、病気や不調を起こしやすい部位でもあります。

それらは少し生活習慣や食習慣を変えることで改善ができるものから、がんのような重い病気まで様々で、女性特有の病気で通院や手術を行っている人は多くいます。女性の病気の中でも比較的良く聞くものの一つに、「卵巣嚢腫」というものがあります。

この卵巣嚢腫、妊娠中であっても発症することのある病気なのですが、出産に何かしらの影響が出たりするものなのでしょうか?妊娠中の卵巣嚢腫が、出産に及ぼす影響の有無などについて調べてみました。

卵巣嚢腫とは?どんな病気?

卵子の放出や女性ホルモンの分泌など、女性にとって大切な働きをしてくれている卵巣という臓器、その大きさは2~3センチほどと、とても小さなものです。妊娠するためにはなくてはならない臓器の一つですが、腫瘍などのできものができ易い部位であることを知っているでしょうか?

卵巣にできる腫瘍のうち、良性のものを卵巣嚢腫と言い、卵巣に出来る腫瘍の8割ほどは卵巣嚢腫であると言われています。卵巣には腫瘍ができても、その腫瘍がある程度の大きさになるまで目立った症状が出ることがありません。そのため自発的に見つかるよりも、がん検診や妊婦健診の時に偶発的に見つかることの方が多いようです。

もし卵巣嚢腫が見つかったとしても、嚢腫が小さい間や無症状の場合、または明らかに良性と判断される場合には、その治療は経過観察にとどめられることが多いでしょう。大きくなってくると、悪性の可能性や茎捻転(卵巣の根元がねじれることで血流が止まり、ねじれの先の部分が壊死してしまうなどの危険がある状態で、緊急手術が必要になることもある)の恐れがあるために手術などによる治療法がとられます。

手術には嚢腫のみを取り出す核出術と、卵巣自体を取り出す全摘出術があります。良性か、悪性か、嚢腫の大きさや妊娠の希望の有無によって手術の方法が決められるため、医師としっかり話し合った上で治療方針を決めていくことが大事です。

しかし茎捻転を起こしてしまった場合には卵巣を残すことができず、全摘出するしかないようです。定期的な検診等で腫瘍の早期発見に努めることが、予防の上でも大事なことです。

卵巣嚢腫には治療が必要?どんな治療法がある?

現在では、卵巣に嚢腫ができる原因ははっきりとはわかっていません。卵巣では、毎月卵胞が育ち、その中から卵子が放出される訳ですが、それは卵胞の細胞を突き破って卵子が飛び出しているという状態です。このようなことが毎月のように卵巣内で起こっている訳ですから、破裂と再生を繰り返す過程で、できものができ易くなるというのも納得できる話です。

上記でも触れましたが、卵巣嚢腫が見つかっても症状が無かったり、小さなものであれば、定期的に観察を行うのみで、積極的な治療は行いません。それは、卵巣嚢腫のほとんどが良性であるということや、時間の経過とともに消失することもあるからです。

嚢腫が大きくなり、何かしらの不快な症状(腹部の膨満感、圧迫感、腰痛など)を伴う場合や、悪性を疑う場合には治療の対象となり、手術の必要も出てきます。悪性か良性かの判断は、超音波検査や腫瘍マーカー検査である程度の見当は付くようですが、実際には腫瘍を切り取って病理検査を行わない限りはっきり断定することはできないようです。

悪性が疑われない限り、慌てて治療をする必要が少ない卵巣嚢腫ですが、妊娠中に発見された場合はどうなのでしょうか?下記では妊娠中に卵巣嚢腫が発見された場合の対処の仕方について、調べました。

参考 痛くない?卵巣嚢腫の手術の全体像と費用・治療期間

妊娠中に卵巣嚢腫を発見!出産への影響は?

小さなものだったり、悪性の可能性が無い限り、積極的な治療を要さない卵巣嚢腫ですが、妊娠中に発見された場合はどうなるのでしょうか?先ほども書きましたが、卵巣嚢腫は妊娠中のエコー検査などで偶然見つかることもあります。

嚢腫が小さいものであれば、経過観察を行いますが、5~6センチ以上ともなると、茎捻転の可能性も考えて、医師によっては妊娠中の手術を行う対象となるようです。

嚢腫がある程度大きいまま妊娠が進むと、子宮が大きくなるのに伴って卵巣がひっぱられてしまい、茎捻転を引き起こす可能性が増します。茎捻転は緊急手術の対象であり、当然、妊娠や出産にも影響を及ぼします。そうなる前に、胎盤が落ち着く14~16週頃に手術を行う事が一般的のようです。

手術は麻酔をかけて開腹術にて行われ、多かれ少なかれ手術である以上危険は伴うものの、赤ちゃんへの影響は少ないとされています。実際に妊娠中に卵巣嚢腫の手術を行って、その後無事に出産している人もたくさんいます。

妊娠中に卵巣嚢腫が発見されると、赤ちゃんのことや無事に出産できるのかなど、とても不安になってしまうでしょう。しかし、嚢腫の大きさによっては妊娠中であっても切除術を受けて出産に臨む方が安全であることを理解し、納得できて信頼できる医師の元で治療や手術を受けるべきだと思います。

参考 痛くない?卵巣嚢腫の手術の全体像と費用・治療期間