卵巣嚢腫

女性の体内で妊娠に関わる臓器と言えば、子宮を第一に思い出す人も多いかもしれませんが、「卵巣」もとても重要な臓器です。赤ちゃんを包み出産まで大事に守ってくれるのが子宮であれば、その赤ちゃんの大元である卵(卵子)を作り、生み出すのが卵巣です。

妊娠するためには卵子の存在は不可欠で、卵子を放出する卵巣も元気でなくてはなりません。しかし、卵巣というのは臓器の中でも「できもの」(腫瘍)が出来やすい部位なのです。できることならば、卵巣の腫瘍とは無縁でいたいもの。卵巣にできる腫瘍を「卵巣嚢腫」と言いますが、今回は卵巣嚢腫ができる原因を知り、その対処法を探っていきます。

腫瘍が出来やすい臓器である卵巣

卵巣が女性にとってとても重要な部位であるのは、なにも「妊娠に関わる器官だから」というだけではありません。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを分泌するのも卵巣の重要な働きの一つであり、これらが正常に分泌されていることで正常な月経周期が起こったり、妊娠や出産が可能になるのです。

そんな大事な器官である卵巣は、腫瘍が出来やすい部位としても知られています。

卵巣では排卵が起こるたびに、卵胞の細胞を突き破って卵子が放出されています。破れた部分は傷になる訳ですが、治癒力によって修復・再生が行われ、次の排卵に向けてコンディションを整えます。卵巣ではこのような破裂、修復という過程が繰り返し行われており、そのような環境にあるために腫瘍が出来やすくなっていると考えらえています。

卵巣にできる腫瘍のうち、およそ8割ほどは良性の腫瘍だと言われており、それらの総称を「卵巣嚢腫」と言います。卵巣嚢腫の特徴として、腫瘍を触った場合に柔らかく感じることが多いようで、腫瘍の中身は液体や脂肪がたまっていると言われています。腫瘍を触った時に硬く感じる場合は悪性の可能性があるため、要注意です。

卵巣は体の内部に存在する臓器であるために、卵巣内にできた腫瘍の良性、悪性の判断は、最終的には切除して病理検査を行わないとわかりません。もし卵巣に腫瘍ができてしまった場合、もちろん手術を行う前に触感以外にも良性、悪性の判断材料はありますが、できればそんな心配はしたくありませんよね。そのためには「腫瘍を作らないこと」が一番大事です。まずは卵巣に腫瘍ができる原因を知って、そこから対処法を探っていきます。

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卵巣嚢腫ができる原因は?

現在、卵巣には実にさまざまな種類の腫瘍ができることが分かっています。それらは腫瘍の内容物の違いだったり、できる場所の違いだったりするわけですが、それらのほとんどが、なぜできるのか、原因については実ははっきりとわかっていないのが現状なのです。

しかし、卵巣嚢腫ができる原因には、ストレスやホルモン異常が関与していると考える人も少なくはなく、それには以下のような理由が言われています。

卵巣といえば卵子を育て放出する器官ですが、二つの女性ホルモンを分泌する器官でもあることは、上述の通りです。この2つのホルモンは、女性にとって、とても大事な役割を持っていて、これらのバランスが乱れると体に様々な不調をきたす原因となります。

これらのホルモンを直接分泌しているのは卵巣ですが、「分泌せよ」との指示を行うのは脳の視床下部や下垂体と呼ばれる部分になります。この脳の視床下部や下垂体という部分はストレスなどに弱く、ダメージを受けたことによって正しい指示を出すことができず、ホルモンバランスが乱れる原因となります。その結果、卵巣では排卵障害が起こったり、月経周期が乱れるなどの不調が生じます。

またこういったホルモンバランスの乱れは卵巣機能の低下も招くと考えられ、機能の落ちた卵巣では、「正常に働かない」、「血流の滞り」などが生じ、これらのことが細胞分裂を繰り返す卵巣においては、「腫瘍が出来やすい」、「腫瘍ができる」という原因の一因として考えられます。

卵巣嚢腫になりたくない!対処法とは?

はっきりとした原因はわかっていない卵巣嚢腫、しかし、その一因がストレスやホルモンバランスにあるとすれば、個人レベルである程度予防をすることも可能なはずです。ストレスを感じて脳の視床下部や下垂体がダメージを受け、ホルモンバランスが乱れるという事ならば、なるべくストレスを感じないような生活を送ることが大事になってきます。

しかし、今までの生活を大幅に変えることは難しく、特に社会に出て働いている人にとっては、ストレスを感じないということは、ほとんどあり得ないことでしょう。少なからず感じてしまうストレスに対し、全く無くすことは無理でも、ため込まず解消する方法はあるはずです。

お勧めのストレス解消法の一つが、適度な運動をすることです。適度な運動は気持ちや体がスッキリするだけでなく、少しの運動であっても体を動かすことで血流の改善ができ、また継続することで筋力アップにも繋がるからです。血流の改善は、卵巣へ適切な量の血流を送るうえでも大事なことだと考えられ、細胞の修復の手助けにもなってくれます。

ある程度、遺伝や体質的な腫瘍の出来やすさは仕方がないとしても、予防できる(かも知れない)手段があることを知り、それを実践することで違いが出てくるかも知れません。卵巣嚢腫を作らないために自分でできることとして、まずはストレスを貯めない事、そしてうまく発散して健康的な生活を送ることが大事ではないでしょうか。

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