黄体ホルモン

「黄体ホルモン」という言葉、名前を聞いたことがありますか?
不妊治療をしている方にとっては聞きなれた言葉かも知れません。

不妊治療のひとつの手段、治療法である人工授精において、
よく処方されるお薬のひとつに「黄体ホルモン剤」があります。

では、どのような場合に、どういった人に黄体ホルモン剤の処方がされるのでしょうか。
また、よく使用されているお薬ですが、副作用はないのでしょうか?

妊娠に関わる2つの重要な女性ホルモン

妊娠を望む女性にとって大事な、生理周期に関わる二つの女性
ホルモンについて少しお話します。

一般的に、正常な生理周期がある方
であれば、月に一度排卵日を迎えます。排卵は、左右ある卵巣の中で
毎月何個かの卵胞が育ち、一番成熟した卵胞から卵子が排出される訳です
が、その卵胞を成熟させる作用を持つのが「卵胞ホルモン(エストロゲン)」です。

排卵が終わると女性の子宮は受精卵を着床させやすくするために、厚みを増します。この子宮内膜を厚くして、妊娠しやすい体作りの助けとなるホルモンが「黄体ホルモン(プロゲステロン)」です。

この2つの女性ホルモンは、どちらが欠けても生理周期の乱れにつながり
、不妊の原因にもなります。

黄体ホルモン剤を処方される理由とその効果

人工授精の治療を受けると、排卵後から飲むようにと黄体ホルモン剤の服用を指示されることは少なくありません。私も8回の人工授精の経験がありますが、毎度処方されていました。

病院からは「高温期を助けるお薬です」とか、「着床を助けてくれるお薬です」という説明がされ、毎度処方されていた黄体ホルモン剤は「ルトラール」という名前のお薬でした。

不妊治療を受ける際には、多くの不妊検査を受けるのですが、その中でエストロゲンとプロゲステロンの基準値についても、もちろん検査をします。

私の場合、どちらのホルモン値も基準値に達しており問題はありませんでした。ではなぜ、黄体ホルモン剤の服用を毎回指示されていたのでしょうか。

最初のころは、処方される薬に対してなんの疑問も持つことなく指示されたとおりに服用をしていたのですが、毎月きちんと排卵があり、基礎体温表も2層に分かれ、低温期と高温期がはっきりしているのに、どうして薬を飲まなければならないんだろうという気持ちになりました。

何度目かの人工授精を受ける際に、先生とホルモン剤の服用についてお話をしました。

「私は検査上、何も問題はなかったと聞いていますが、ホルモン剤の服用は必要ですか?」との問いに対し、「このお薬は、人工授精を受けた患者様全員に処方しています。」との回答でした。

理由をお伺いすると、ルトラールというお薬自体安全性が高く、また、不妊治療において過去の実績からも使用しないよりも使用した方が妊娠率が高いというデータが出ているため、プロゲステロン値が基準値であっても処方しているのです、とのことでした。

上記のことをまとめると、黄体ホルモン剤の服用の効果とは
①黄体ホルモン、プロゲステロンの不足分を補充し、②高温期を維持させ、③子宮内膜を厚くし、着床の手助けをする、ということになります。

重要な作用を持つ黄体ホルモン剤、副作用はあるの?

前述のとおり、人工授精の治療の際にはよく処方されている黄体ホルモン剤ルトラールですが、いくら安全性が高いとは言え、副作用はないのでしょうか。

お薬を処方してもらう際に、薬剤師の方に言われた副作用には「下痢」、「嘔吐」「腹痛」、「食欲の低下」、「発疹」などがあり、それらの症状が出た場合はご相談下さいとのことでした。また、まれに血栓症になる方がいるとのことで、発疹やむくみの症状が出た時には使用を中止し、すぐに医師の指示を仰ぐようにと言われましたが、その割合は1000人に一人程度とのことでした。

上記よく言われている副作用について、私には当てはまるものは一つもなく、むしろ食欲が増加し体重も増加傾向にありました。体重が増加することが副作用なのでは?と思うかもしれませんが、先生に伺うとそれは副作用ではなく、ある程度の増加であれば健康的で良いでしょう、というお話でした。

用法、用量を守って服用し、上記のような不快な症状が出ないのであれば、黄体ホルモン剤は不妊治療にとって有意義なお薬であることがわかりました。

また、少しでも薬の服用に疑問があるのであれば、お医者様と相談し、薬の種類を変えてもらったり服用を減らす、服用を止めることも可能です。その薬の作用、効果などに納得した上で服用することが大切です。もちろん薬を飲む祭には、飲酒は厳禁です。

⇒ 人工授精治療中の飲酒はダメ?悪影響はある?