人工授精 精子運動率

不妊の原因の半分は男性側にあるという事をご存知でしょうか?不妊治療と聞くと、女性が受けるものというイメージがありますが、男性不妊が原因で妊娠が成立しないカップルも多くいるのです。不妊治療を開始するとまず行うのは、不妊検査です。

女性側が受ける検査項目は10種類ほどと多いのに対し、男性側が受ける検査は3~5種類ほどです。病院によって受ける検査の種類は違いますが、最初に男性が受ける不妊の検査は精液検査になるでしょう。

精液検査では、精子濃度や精子のスピード、精子の運動率などを調べる訳ですが、それぞれの結果は人工授精に影響があるのでしょうか?私とパートナーが受けた検査をもとに、人工授精と精子の運動率について考察してみました。

精液検査とは?どんなことを調べる?

男性が受ける不妊検査の一つである精液検査について、私たちが受けた検査の内容を下記にまとめてみました。精液検査では男性パートナーの精液を採取して病院に持ち込み、いくつかの項目について調べてもらう事になります。

採取を行う際にはいくつかの注意事項(禁欲期間や採取時の方法)があり、病院からの指示に沿って正しく採取したものでなければ、正しい結果が出ない場合があるので、ルールをきちんと守るようにしてください。

提出した精液についての検査内容としては、精液中の精子の濃度や精子の運動率、精子のスピードなどを調べてもらいます。検査結果が出るまでに2週間ほどの時間を要します。その後結果が出たころに病院を受診し、検査結果について医師と話をすることになります。

人工授精と精液検査の結果に関係はある?

結論から言って、精液検査と人工授精には大きく関係があります。精液検査でわかる結果には、人工授精に関わる三つの重要な項目があります。

一つ目は「精子濃度」であり、1mlの精液の中に存在する運動している精子の数を数値化したもので、検査結果には「MSC」として表記されます。

二つ目はMSCの中でも形態や直進性も良好な精子の濃度を数値化したもので、「FSC」と記載されています。

最後三つ目は運動精子濃度にスピードを考慮して数値化した値「SⅯI」です。SⅯIの値は精子の受精能力の判定に使われます。

それぞれの項目には基準値があり、その基準値をもとに精子の授精能力などが判断される事になります。上記三つの項目の中で最も深く授精に関与するのはFSCの値で、この数値が基準値に達していなければ医師より人工授精を勧められることになります。

人工授精では採取した精液を調整して、女性の子宮へ注入することになります。精液の調整に関して、方法は病院によって違うかもしれませんが、私の通っていた病院では精液を特殊な培養液に入れ遠心分離にかけることで、正常な運動精子のみが沈殿し、その結果最初の状態よりも精子濃度や運動率を上げることができる、といった調整方法でした。検査の結果運動率が悪く、その影響でなかなか妊娠にたどり着くことができないカップルにとって、人工授精は有効な治療法であると言えそうです。

男性も妊活で不妊対策を!

妊活や不妊治療というと、すぐに女性が受けるものだと考えてしまう人が多いのが現状だと思いますが、妊活、不妊治療は男性、女性二人で協力して行うものです。

女性が冷え性を改善したり、食生活を見直したりするのと同じように、男性もご自分の生活習慣で見直すべきところはありませんか?過度な飲酒、喫煙の習慣がある方は要注意です。男性不妊の原因になり得ます。忙しいからと言って睡眠時間を削っていませんか?ストレスをため込んでいませんか?どちらも妊娠を望む方にとって良い影響を与えません(精子の運動性や濃度は体調やストレスに等により大きく変わることが報告されているそうです)。

不妊や妊活が女性だけの問題ではないことは、上記でも分かって頂けたと思います。妊活や男性不妊についてこれを機に考えるのであれば、お互いに協力しながら生活習慣を改善し、少しでも良い結果が得られるよう、パートナーと共に同じ方向に向かって努力することが必要なことだと考えます。