人工授精 夜間

現在、不妊治療を行っているカップルはとてもたくさんいます。不妊治療を行っている病院に行くとどこも患者であふれていて、こんなにも多くの人が不妊で悩んでいるのだと改めて驚きました。

不妊治療というのは、高度になればなるほど通院の回数が増え、仕事をしながら治療を行っていくのは本当に大変なことです。私は過去5年間の不妊治療の中で、タイミング指導、人工授精、体外受精までを経験しましたが、体外受精を受ける前に仕事を辞めてしまいました。

人工授精の治療を受けている時でさえ時間の調整が大変で、これ以上通院の回数が増えると会社や同僚に迷惑がかかると判断したためでした。私のように治療に専念するため退職する人もいれば、大変ながらも仕事を続けながら治療を受ける人もいるでしょう。

それでは、仕事が終わってから治療を受けることはできないのでしょうか?またそのことによって、悪影響は出るのでしょうか?これまでの経験をもとに人工授精の治療の場合について考察してみました。

夜間に治療を行うことは可能か?

私が過去に治療を受けた病院では、人工授精の治療は基本的に午前中しか受付をしていませんでした。しかも、人工授精を受けられるのは一日に5組までという限定もありました。これは、病院の設備の問題があったためと思われます。

人工授精では、精液の洗浄・濃縮という作業が伴うことがあります。その作業を行うのに使用する機器の関係で、一日に何組対応できるかが決まってくるのでしょう(洗浄・濃縮には1時間程度の時間を要します)。人工授精では、女性の排卵日を特定することが必要となりますが、そのためには排卵日付近に何度か通院する必要があります。

最近では仕事終わりの方に対応するために、夕方18時までに来院すれば診察を受けられるようになっている病院も多く、土日・祝日も対応可能な病院も増えています。ですので、仕事が終わってから通院し、超音波エコーなどの診察を受け、排卵日の特定および人工授精処置の日程を決める、というところまでは何の問題もないでしょう。

問題は人工授精の処置自体が夜間に対応できるのかどうかです。前述の通り、私が過去に通っていた病院では、対応が不可でした。探してみれば夜間に対応してくれる病院もあるのかもしれませんが、以下にその場合の疑問・問題点をあげてみました。

夜間に人工授精を行う場合の問題点

先ほど書いた通り、夜間に人工授精の対応をしている病院は恐らく少ないでしょう。もしそういった病院を見つけたとしても、自宅や職場の近くに無いのであれば、通う事自体が困難になってきます。

また、人工授精の治療では、当日に男性パートナーの精液を採取し、持参する(もしくは一緒に病院へ向かい、その場で採精する)必要があります。仮に18時に処置を対応してくれることになったとして、その時間までに女性が病院に向かうことは可能だとしても、男性も同じ時間に一緒に向かう(もしくは精液を事前に用意してもらう)ことは可能でしょうか?

仕事の都合や職場の距離などを考えると、結構難しい問題ではないかと思います。治療の内容から考えると、夜間に人工授精を受けること自体には問題はなさそうですが、上記の理由から実際に夜間に治療を受けることは難しいのではないでしょうか。

夜間の治療、悪影響はある?

夜間の対応をしてくれて、男女ともに距離的な問題や時間的な余裕があり、通院可能なのであれば、治療を受けること自体に問題はないと考えられます。では、夜間に受けることになった場合、何かしらの悪影響はあるのでしょうか。

先ほども少し触れましたが、男女が一緒に病院に向かえない場合、精液を事前に採取する必要があります。病院側からは採取から2時間以内のものなど、時間の指定をされることになるでしょう。その場合、それは可能でしょうか?

一緒に行けないということは、当然、その当日に処置2時間以内の採取を行うことも難しいでしょう。そういった場合に、凍結した精液での処置を対応してくれる病院があります。凍結した精子は、処置当日に解凍の処理が行われ治療に使用される訳ですが、解凍する際に運動率などの低下が認められています。

精子の運動率は授精能力に影響してきますので、凍結精子を使用する場合は人工授精の成功率自体に少し影響がでてくるのかもしれません。

⇒ 人工授精に精子の運動率は関係する?

人工授精の治療当日は、精液の洗浄・濃縮を合わせても3時間ほどの時間があれば処置が終了するでしょう。

月に一度のことですので、処置の当日、一日だけ午前中の休みをもらって治療を受け、午後から出勤する、という風にしても良いのではないでしょうか?夜間に治療を受けるメリット、デメリットを考え、自分に合った選択をしたいものです。