非配偶者間人工授精(AID)とは

不妊治療には種類があります。よくニュースなどでも取り上げられることのある、体外受精などはご存知の方も多いと思います。

その他にも、人工授精タイミング指導などがあります。それでは人工授精の一種である「非配偶者間人工授精(AID)」を知っている人はどれくらいいるでしょうか?

少し特殊な治療になるため、この治療に適応がある方や、病院側から勧められたという場合でなければ中々知る機会もないかも知れません。

配偶者間人工授精(AIH)との違いや、妊娠率、問題点に関して、不妊治療の経験をもとに下記に考察してみました。

妊活は女性だけの問題ではありません!男性の理解と協力が必要です。

AIDとAIHの違いと妊娠率

不妊治療である人工授精には、AIDとAIHがあります。そのうちにAIDに関して、「非配偶者間人工授精」という字の通り、配偶者関係に無い第3者から精子の提供を受けて人工授精に臨む治療という事になります。

そもそも人工授精の治療というのは、軽度の男性不妊などの場合に適応となる治療法です。その男性不妊の中でも、無精子症などの原因で配偶者間で子供を授かることが不可能な場合に選択される方法となります。

AIDとAIHでは精子の提供者が、配偶者関係にあるかどうかの違いで、治療の方法、処置の方法は変わりません。

また妊娠率に関してですが、治療や処置の方法に変わりがない限り、通常の人工授精の妊娠率と大差はないと考えられます。

私が過去に受けた人工授精の治療における一度の妊娠率は、5~15%ほどと説明を受けました。条件に変化がない限り、この数値を上回ることはないと思われます。

また、AIDという特殊な治療条件を考えると、ストレスや心的要因などから、上記の妊娠率よりも下がってしまうのかも知れません。

AIDを受けることの問題点や費用について

AIDでは夫以外の第三者から精子の提供を受けて治療に臨む訳ですから、受けるという選択をするまでに夫婦間での話し合いはもちろん、お互いのご両親、家族とも十分に理解・納得する必要があります。

精子の提供者である第三者には、病院によって人物の選定方法に違いはあるものの、十分な検査が行われた上でのドナーとなっているようです。

また精子提供者の方の個人情報を知ることはできず、選定に関しては現在の日本では、夫の血液型と一致する方という事で選ばれているようです。

それではAIDを受ける上での問題点とはなんでしょうか?それはやはり、夫婦間、家族間での心理的な問題ではないでしょうか。この治療を受けるとなれば、十分に話し合いを重ねているはずです。

しかし、実際にこの治療にて授かることのできる子供は夫の子供ではありません。そのことを十分に理解・納得して治療に臨んだとしても、心のどこかでそのことを考えてしまうことはどうしても有るでしょう。

また、授かった子供に関しても、将来、治療のことを告知するか否か、告知するタイミングなどにおいても悩むことになってしまうかも知れません。

そういった問題があることを十分に理解した上でなければ、この治療に臨むことはできないのでしょう。治療の痛みやリスクに関しては、通常の人工授精と同程度と考えて良さそうです。

また、費用に関しては各病院によって差はあるものの、一度につき3~5万円程度必要になるようです。

受ける選択、受けない選択

子供を望んでいる夫婦にとって、身体的な理由で授かることができないというのは本当につらく悲しいものです。

今回のテーマのように、男性側の問題で子供が望めないのであれば、AIDという選択もありますが、受けるという選択をするにしても大変悩ましい問題があることがわかりました。

また、受けたからと言って、必ずしも授かれるわけでもありません。AIDを受けないという選択をしたならば、養子を迎えることを検討したり、または夫婦二人での生活を選んだりと、考えることは様々です。

私も一度は不妊治療に挫折し、子供を持つことをあきらめ、夫婦だけで生きていくことを考えた時期もありました。

しかし、時間の経過や周りの環境によっても考え方は変わっていきます。その時は治療をやめようと思っても、やっぱり諦めきれず治療を再開したり、受けないでおこうと思った治療に挑戦してみたり・・・。その時、その時で自分の気持ちにあった選択をし、将来後悔しないようにしたいものですね。

⇒ 3段階の不妊治療を理解しよう:タイミング法・人工授精・生殖補助医療技術(体外受精・顕微授精)