人工中絶

世の中には、どんなに望んでも子供が出来ない人がいる一方で、望まない妊娠をしてしまったり様々な事情により、やむなく人工中絶という道を選択する人もいます。

人工中絶について、一度でも経験があるとその後の妊娠率に影響するという話を聞いた事はないでしょうか?そういった話を聞くと、中絶経験のある人は「もう妊娠出来ないのではないか」と不安になってしまうかも知れません。

実際のところはどうなのでしょう、人工中絶と妊娠の関係について、気になることを調べてみました。

妊活は女性だけの問題ではありません!男性の理解と協力が必要です。

人工中絶の種類、方法とは?

人工中絶とは、止むを得ず妊娠の継続を人工的に中止する処置のことで、人工中絶が出来る時期は日本の法律により、21週と6日までと決まっています。

人工中絶の方法は、時期によって変わってきます。

11週6日までの中絶は初期中絶、12週以降の中絶は中期中絶と言い、処置の方法が異ってきます。

初期中絶の場合

まだ週数の浅い初期中絶の方法は、麻酔下で手術が行われ、子宮内の妊娠組織を機械的に取り出す措置がなされます。手術時間は10分程度と短く、日帰りもしくは、一泊程度の入院で帰ることが出来るようです。

中期中絶の場合

それに対して中期中絶では、人工的に陣痛を起こさせて普通のお産のように産み落とすという方法がとられます。どちらの処置もお産の経験がなければ、子宮の入り口を拡げる前処置が必要となり、中期中絶の方が、その前処置自体が大変なものになってきます。

人工中絶のリスク

人工中絶手術には、少なからずリスクが生じます。初期、中期でそれぞれ発生するリスクは異なってきます。

初期中絶の場合

初期中絶ではまず、麻酔を使っての手術になりますので、麻酔に対してアレルギー反応が起こる可能性があります。その他には、専用の器具を使って子宮内の組織を機械的に掻き出す訳ですから、子宮内部に細かな傷がつく可能性があります。また、内容物が全て取り出せずに残ってしまうことで、感染症を起こしてしまう事も考えられます。

中期中絶の場合

次に、中期中絶では人工的に陣痛を起こさせる薬(子宮収縮剤)を使用するわけですが、その効果が強すぎる(効きすぎる)と、子宮破裂が起こる可能性があります。

初期、中期共に、術後にはホルモンバランスの乱れから、月経トラブル(周期の乱れ、排卵障害など)が起こる事も考えられます。

精神面へのダメージが一番大きい

中絶手術では、上記のような肉体的リスクの他にも、精神面へのリスクも考えられます。中絶することによって失われた命への罪悪感からストレスを抱えたり、相手(パートナー等)との妊娠、出産への意識の違いなどから男性不信に陥ることもあるそうです。

人工中絶には上記のような様々なリスクがあることを十分理解し、やむを得ない事情がある場合以外では、望まない妊娠をしないよう確実に避妊を行い、中絶という選択をしなくても良いようにしたいものです。

人工中絶後は不妊になる?

人工中絶をすると子供が出来にくくなる、と言う話を聞いた事があるかも知れません。これは、一部は正しく、一部は間違った情報です。と言うのは、きちんとした施設で、正しく処置を行い、良好な経過を辿れば、不妊になると言うことはまずないからです。

しかし、中絶を繰り返したり、処置後に無理をしたり、医師や病院の指示に反するような事をした場合には、その限りではありません

中絶手術で一番気をつけなければいけないのは、アッシャーマン症候群という病気です。アッシャーマン症候群とは、中絶手術を繰り返したり、正しく処置が行なわれずに子宮が傷つけられることで、子宮内膜に癒着が生じ、その結果、着床障害を起こす病気です。

また、まれに卵管や骨盤などに感染症を起こし、卵管などに詰まりが生じると、自然妊娠は難しく、体外授精を視野に入れなければならなくなるでしょう。

「中絶の経験=不妊」という心配で精神的ストレスを感じ、妊娠しにくい状況を作ってしまう事もあります。しかし実際には中絶手術を乗り越えて、妊娠・出産を経験した人も世の中にはたくさんいます。きちんとした施設で、正しく処置を受け、術後の指示を守っていれば、中絶手術後の不妊について必要以上に心配する事はありません。