妊娠高血圧症候群

女性の人生において、経験する人にとっては最大のイベントの一つが「妊娠・出産」です。妊娠、出産は、我が子に会うことが出来る、とても幸せな出来事ですが、嬉しい事楽しい事ばかりではありません。

出産に関して言えば、激しい痛みを伴うことは良く知られているため、その瞬間を迎える事を恐怖に感じている人も少なくありません。そして、出産の前の妊娠期間中も、多くのトラブルが起こる可能性がある事を、ちゃんと理解しているでしょうか?

妊娠期間中に気をつけなければいけないトラブルの一つに、「妊娠中毒症」があります。「妊娠中毒症」と言う言葉を聞いた事があっても、どういった症状がでるのか、原因は何なのか、どのような治療をするのか、など知らない人も多いと思います。妊婦さんや、妊娠を望んでいる人であれば知っておきたい「妊娠中毒症」について、下記にまとめてみました。

妊活は女性だけの問題ではありません!男性の理解と協力が必要です。

妊娠中毒症とは?どんな症状が出る?

妊婦さんが妊娠中に気をつけなければいけない症状の一つが、「妊娠中毒症」です。少し前までは、妊娠中毒症と呼んでいましたが、現在は「妊娠高血圧症候群」と呼ばれています。

妊娠さんの定期健診では毎回、採尿と血圧測定、体重測定、むくみのチェックが行われますが、そこで妊娠高血圧症候群の確認をしています。現在はむくみに関してはさほど重要視していないようですが、尿たんぱくと血圧の数値に注視しています。

通常健康な人であれば、尿にたんぱく質が下りてくることはありませんが、妊娠中、じん臓の機能がうまく働いていない場合に、尿たんぱくの数値が高くなることがあります。血圧に関して、妊娠中は通常時よりも血圧は少し高めになるのが普通です。しかし最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の場合に、高血圧であると判断されます。

主に症状が出てくるのは、妊娠後期の8ケ月くらいが多いようです。妊娠中期から発症する場合も有り、早期から発症した方が症状が重くなる傾向があり、重症化すると母子共に危険な状態になることもあります。

妊婦さんの1割程度が、妊娠高血圧症候群を発症すると言われています。自覚症状として、頭痛、めまい、倦怠感などがあらわれますので、上記の様な異常を感じた場合は、すぐに医師等に相談する事が必要です。

原因と予防法

重症化すると危険な妊娠高血圧症候群ですが、どのようなことが原因で発症するのでしょうか?実は今のところ、はっきりとした原因はわかっていないのです。女性は妊娠すると、体内で様々な変化が起こります。一説では、その変化に体がついていけずに、中毒を起こしたような反応が出ているのではないか、と言われています。

原因がはっきりとしていないため、明確な予防法がある訳ではありませんが、高血圧対策として、食事の内容に気をつけたり(塩分を控える)、適度な運動をするなど、健康的な生活を心掛ける必要があるでしょう。

また、妊娠高血圧症候群は、下記のような人が発症しやすいと言われています。初産婦、若齢妊娠、高齢妊娠、肥満気味の人、糖尿病や甲状腺機能障害を持っている人、母親が高血圧症候群を発症したことがある人(遺伝)、多胎妊娠、などです。当てはまる場合は、普段の生活から気をつける事が必要で、定期健診をきちんと受け、早期の発見、治療をする事が重要です。

妊娠中毒症になったら、どんな治療法がある?

気をつけていても、妊娠高血圧症候群になってし
まった場合、どのような治療法があるのでしょうか?症状の度合い、軽度なのか、重度なのかで治療法は変わってきますが、基本的には妊娠の中断が根本的な治療法となってきます。

妊娠後期で、ある程度赤ちゃんが成長していれば、計画的に分娩を行う事ができますが、34週以前で赤ちゃんが未熟な場合は、そうはいきません。緊急性がない限りは、安静にして食事療法などを行い、安全に分娩できる週数まで待ってから、通常分娩や帝王切開などの判断がなされ、分娩が誘導されます。

重症化した場合には入院治療が必要で、食事療法と薬物療法にて管理がなされます。やむを得ない場合は、週数が十分な期間に達していなくても、母体の安全を優先して分娩が行われる事があります。妊娠を望んでいる人や妊婦さんは、妊娠期間中にはこのようなトラブルが起こり得る事を十分に理解しておく必要があります。また、できる限り妊娠高血圧症候群のリスクを減らすために、普段の生活習慣から気をつけて行くことが大事です。