習慣性流産

現在の日本では、不妊に悩む夫婦がとても多くなっています。その背景には、昨今の晩婚化、晩産化の影響が大きく、加齢、高齢というのは、不妊に大いに関係しています。

「不妊症」と言っても、原因は本当に様々です。女性側の原因、男性側の原因、排卵障害、受精障害、着床障害など、妊娠にたどり着くまでに多くの過程をクリアしなければなりません。

また不妊症ではないけれど、赤ちゃんを産むまでに至らない「不育症」について知っている人はどれくらい居るでしょうか。妊娠は、成立しても流産してしまうことがあります。

3回以上流産を繰り返す事を、習慣性流産と言いますが、これは不育症の一つです。一度でも流産の経験があると「不育症」なのかもしれないと、気になってしまうものです。

ここではそんな習慣性流産の原因や検査方法、治療方法などを下記にまとめてみました。

妊活は女性だけの問題ではありません!男性の理解と協力が必要です。

不育症、習慣性流産とは?原因は?

子供が授かれない原因には様々あり、最近では「不妊症」と言う言葉も良く聞かれるようになったため、不妊症について知っている人は多いかもしれません。不妊症でなくても、子供を授かることの出来ない「不育症」については、どの位の人が知っているでしょうか。

不育症とは妊娠はしても、出産までたどり着けずに妊娠が終了してしまうことで、繰り返す流産や、死産などがこれに当たります。

習慣性流産は不育症の一つであり、3回以上流産を繰り返す場合に不育症が疑われます。

3つの原因

習慣性流産の主な原因として、以下の3つの事が言われています。

  • 1.夫婦のいずれか一方に染色体の異常がある
  • 2.抗リン脂質抗体という自己抗体をもっている
  • 3.子宮の形状が悪い

の3つです。

不育症の原因は上記だけとは限りませんが、多くがその内のどれかに当てはまります。妊娠したくても出来ない不妊症とは違い、妊娠したのにもかかわらず流産してしまう、産めない不育症では、不妊症とはまた違う苦しみを経験する事になります。

下記に主な不育症の検査、治療法をまとめました。2度流産を繰り返した経験があれば、一度不育症の検査を受けた方が良いのかも知れません。

ただし、年齢と共に流産率は上がっていくもので、40代に入ると流産率は40%と高くなり、これは卵子の老化による染色体異常が原因だと言われています。

習慣性流産の検査、治療方法とは?

不育症の検査には、保険が適用されるもの、自費にて行うもの、様々あります。通常一般的な検査(血液検査、甲状腺機能検査、卵巣機能検査など)を行ってみて、原因が特定出来なければ、さらに検査項目を増やして調べる事も可能ですが、必ずしも原因が特定できるとは限りません。

また、不育症を扱っている病院の数もそれほど多くはないため、通院できる範囲に病院があることを確認しておかなければなりません。下記に主な不育症の原因3つについて、治療法をまとめてみました。

染色体異常

男性側、女性側、どちらかが染色体異常を持っている場合に、流産率が高くなる可能性があります。基本的に治療方法はありませんが、染色体異常を持っているからと言って、必ず流産になる訳ではありません。まずは検査で確認する事が大事です。

子宮奇形

子宮の形は個人個人、少なからず違います。子宮奇形にも種類があり、その形によっては受精卵が着床しにくかったり、着床しても育つ事が出来ない事があります。

基本的には手術による治療が行われていますが、子宮奇形であっても通常通りに妊娠出産が可能なケースも少なくありません。

抗リン脂質抗体

妊娠中の女性の体内では稀に、胎児を異物と認識してしまい、免疫システムが攻撃してしまう事があります。その時に自己抗体である抗リン脂質抗体ができ、抗リン脂質抗体ができると、血液が固まりやすくなってしまいます。

その結果、胎盤などに血液が流れにくくなり、流産の原因となっていると考えられます。

これには、アスピリン製剤を投与し、血液の流れを良くする治療方法がとられています。

流産について知っておかなければいけないのは、初期流産の6〜7割は胎児側の染色体異常が原因のため、避けられないということです。

流産を繰り返してしまったからといって、必ずしも不育症であるとは限らず、3回繰り返してしまっても、4回目で出産に至るケースも十分に考えられるそうです。

不育症にはバファリンが効く?

不育症の予防や流産の予防に、バファリンが処方される事があります。「バファリン」と聞くと、市販もされている解熱剤のバファリンを思い出す人も多いと思います。

私は不妊治療の末に妊娠する事が出来たのですが、8週頃からバファリンを処方されていました。なぜ解熱剤を処方されるのか、疑問に思ったため質問すると、市販品のバファリンとは異なる薬品、との回答でした。

上記にて、不育症の原因の1つに、抗リン脂質抗体による血液凝固作用があることを書きました。その治療にはアスピリン製剤を用いますが、それが「バファリン」です。

市販品のバファリンにも成分としてアスピリンが入っていますが、不育症の予防で処方されるものとは配合が違いますので、自己判断で市販品のバファリンを飲んだりしてはいけまけん。

また、全ての不育症の原因に対してバファリンが効く訳ではありませんが、不育症の治療や予防には広くバファリンが使われており、データ上も一定の効果が認められています。