副作用

不妊治療において欠かせない薬の一つに、排卵誘発剤があります。排卵誘発剤と一口に言ってもその種類は様々で、用途によって、または個人の状態に合わせて使い分けがされています。

不妊治療をしている人であれば、クロミッドという排卵誘発剤は聞いた事がある、または使用した事があるという人も多いかもしれません。

では、アナストロゾールという排卵誘発剤についてはどうでしょうか?私自身、不妊治療の経験者ですが、5年の不妊治療を通して一度も使った事が無く、名前を聞くのも初めてでした。

なかなか耳慣れない(かも知れない)排卵誘発剤であるアナストロゾールという薬ですが、どのような効果があるのでしょうか。また、危険な副作用などはないのでしょうか、下記にまとめてみました。

妊活は女性だけの問題ではありません!男性の理解と協力が必要です。

アナストロゾールとは?

不妊治療では、本当に多くの種類の薬が使用されています。それは個人の状態であったり、治療の段階であったり、色々な理由で使い分けがされています。そして、本来の使用目的とは違いますがその効果から、不妊治療に利用されている薬というのも有ります。

アナストロゾールもそんな薬の中の一つです。本来、アナストロゾールは、乳がんの抗ガン剤として使用される薬です。乳がんや子宮がん、卵巣がんと言った女性特有のがんは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの影響を受けて増殖します。

アナストロゾールには、アロマターゼという酵素を阻害する働きがあります。女性の体内でエストロゲンを生成するためにはアロマターゼの存在が必要であり、そのアロマターゼを阻害する事でエストロゲンの分泌を抑えることができるので、抗ガン剤として使用されているのです。

そんな抗ガン剤であるアナストロゾールが、不妊治療に使われるのは何故でしょうか、次項にてアナストロゾールの不妊治療への効果、利用法についてまとめました。

アナストロゾールの不妊治療効果

上記にてアナストロゾールには、アロマターゼを阻害する事でエストロゲンの分泌を抑制する働きがある事がわかりました。エストロゲンの分泌を抑える効果が、なぜ不妊治療に利用できるのでしょうか?それには、排卵の仕組みが関係しています。

女性の体内では左右の卵巣で複数の卵胞が育ち、一番良く育った卵胞からのみ卵子が放出されます。これが排卵です。卵胞の成熟にはエストロゲンが不可欠ですが、排卵が終わるとエストロゲンは減少し、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が盛んになってきます。

「排卵が終わるとエストロゲンの分泌が減少する」というところに着目し、人工的にエストロゲンが少ない状態を作りだし、体に「排卵が近い、排卵しなければ!」という勘違いをさせます。その結果排卵が起こることが確認されたため、排卵誘発剤として使用されるようになりました。

アナストロゾールの排卵誘発剤としての使用頻度はそれほど高くなく、一般的にはクロミッドなどの排卵誘発剤で効果が無かった人等に処方されるようです。またアナストロゾールは本来の使用目的でない排卵誘発剤として処方される場合は、健康保険の対象にはなりませんので医療費等にも注意が必要です。

アナストロゾールの副作用とは!?

乳がんの抗ガン剤であり、排卵誘発剤としても効果のあるアナストロゾールですが、副作用はあるのでしょうか。

上記の通りアナストロゾールには、エストロゲンを抑制する効果があります。エストロゲンは女性には無くてはならないホルモンであり、それを制御するということは体に何かしらの変調が起こってもおかしくはありません。

エストロゲンには、体に皮下脂肪を付け女性らしい体つきを作る作用があり、情緒を安定化する効果、動脈硬化を抑制する効果、血中のコレステロールの増加を抑える効果、骨や血管を丈夫にする効果、髪や肌にハリ・艶を与えるなどの女性にとって嬉しい、良い効果があります。

女性は閉経を迎えると卵巣の働きが一気に落ち、その影響でエストロゲンの分泌も極端に減ってしまいます。アナストロゾールを服用するとエストロゲンを強制的に抑制するため、更年期のような症状を引き起こすことが報告されています。

主な症状としては、ほてりや頭痛、吐き気、関節痛などです。これら以外にもまれですが重い副作用として、アナフィラキシー症、皮膚・粘膜障害(発疹、水膨れ、膿など)、血栓症、肝臓疾患(食欲不振、吐気、発熱など)などが報告されているようです。

上記の様な症状が確認できた場合、服用を中止、医師へ報告相談し、指示を仰ぐようにして下さい。乳がんを抑える効果が有り、排卵誘発剤としても利用できるアナストロゾールですが、エストロゲンの抑制効果から上記の様な様々な副作用があることを理解し、処方された場合は用法容量を守り、正しく服用しなければなりません。